碓氷峠越え (2023/08/22)

碓氷峠(旧中山道ルート)を徒歩で越えました。

碓氷峠とは?

群馬県(横川駅付近)と長野県(軽井沢駅付近)の県境に位置する峠です。1997 年までは在来線の信越本線が横川駅と軽井沢駅を結んでいて、急勾配で知られていましたが、長野新幹線の開業に伴い在来線は廃線となりました。現在では JR バス関東による代替輸送が行われています(片道 520 円)。

経路

碓氷峠を越える経路として大まかに 3 つのルートがあります。

出典:国土地理院ウェブサイト

A ルート

国道 18 号の新道です。車での通行はこの道が主となっていて、JR バスもこの経路です。山道特有の蛇行が見られて見た目以上に距離が長く、距離は約 22 km となっています。

B ルート

国道 18 号の旧道です。旧信越本線も主にこちらのルートであり、横川から熊ノ平あたりまでは廃線に沿って歩いて行けるようです。距離は約 16 km で、碓氷峠を徒歩で越える場合はこちらがメジャーなルートとなっています。

C ルート

峠の湯あたりまでは B ルートと同じですが、途中から旧中山道に入ります。旧中山道は舗装はされておらず、完全な山道です。今回は横川から軽井沢方向にこちらのルートで行きました。

台風の影響

一週間ほど前の台風 7 号の影響で国道 18 号旧道の路肩が滑落して通行止めになっているという情報を前日に得て、元々このルートで行く予定だったところを急遽旧中山道ルートで行くこととなりました。18 号は現在でも復旧の目処が立っていないようで、一刻も早い復旧をお祈りします。

峠越え

横川駅から旧中山道入口

横川駅を 10 時頃に出てすぐそこにあるアプトの道に入ります。

アプトの道入口

その後は廃線跡(現在では碓氷峠鉄道文化むらの列車が走っている)に沿ってひたすら歩いて行きます。

廃線に沿って歩く。stand by me っぽさがありますね(?)

こんな感じで平坦な道を歩いて行くと峠の湯に着きます。峠の湯は第 1・3 火曜日は定休日となっていて、この日はドンピシャでした。気を取り直して近くの力餅の店で食事をし、店の方から旧中山道の話を色々聞きます。雨が降った直後なのでヤマビルが大量発生しているが、刺されても吸ったらすぐ剥がれるので平気ということでした。そんなこんなで割と楽観的な気持ちで旧中山道に入ります。

中山道入口から刎石山

11 時 50 分頃に旧中山道に入ります。入るとすぐに急傾斜の山道が広がり、30 分くらいはひたすら登り続けたでしょうか。開始 10 分くらいで同行していた友人がヒルに刺されて奇声を発しているのを見てほくそ笑みます。

中山道入口。入ってからしばらくは急斜面が続く。

ひと段落すると覗というスポットがあります。標高も入口では 500 - 600 m くらいだったのが、800 - 900 m くらいまで上がり、安中市街地を見渡すことができます。このあたりで靴紐を結び直そうとしたときにヒルが指にくっつき、冷や汗をかきます。

覗から見える安中市街地の景色

刎石山から熊野皇大神社

ここから先は傾斜も緩く歩きやすい道がしばらく続きます。ここから 1 時間ほどは淡々と歩き続けていたので、友人がヒルに吸われて呻いていた以外の記憶があまりありません。途中からは流れている小さい川の上を進んでいくことになり、大雨の影響もあってか何度か足場が崩れることもあって歩きにくい部分もかなりありました。

平坦な道

途中に大きい川があったので、そこで友人のヒルの処理をすることに。最初にひっついていたヒルは肥大化していて閲覧注意状態になっていましたが、木の枝で 1 つずつ丁寧に剝がしていって水で洗うということをしました。ここでようやく私の足にもヒルが複数くっついていることに気づきます。時すでに遅し。

水がきれい

この後はまた急勾配が続きます。県境を目指してひたすら登り続けて、少しきつくなってきたかというところでついに出口が見えます。

ゴール確定演出

14 時 20 分頃に軽井沢側の熊野皇大神社に着きます。山を出ると急に涼しく観光客も多くいたので、別世界に来たようでした。近くのベンチに座って足に引っ付いたヒルを引っぺがす作業をひたすらやっていたら観光客に変な目で見られたのを覚えています。

熊野皇大神社から軽井沢駅

ここから先は舗装された下り道なので完全にウイニングランです。駅前の通りでアイスを買って食べたり、公園の水道で傷口を洗ったりと思い思いに過ごしながらだらだらと軽井沢駅まで向かいました。軽井沢の雰囲気も少し味わえたので良かったですね。駅には 16 時 30 分頃に到着し、無事に横川軽井沢間の踏破に成功しました。

ゴールの軽井沢駅

ヒルについて

症状

靴下は長めのものを履いていきましたが、結局左足右足 11 箇所ずつの合計 22 箇所を刺されました。やつらは靴下の上からでも全然刺してくるので要注意です。また、靴下の上まで這い上がって刺してきた箇所もありました。上半身は T シャツ 1 枚でしたが全く刺されませんでした。私は鈍感なのか、痛みやかゆみ(なんなら刺されている感覚も)は全くありませんでしたし、夜まで出血が止まらなかったくらいの症状で済みました。友人は踝までの靴下だったので刺されまくっていて、膝や腹まで刺されていて大変そうでしたが症状も出血以外は特にという感じでした。

対策

ズボンの裾を靴下の中に入れることで内部への侵入は防げます。また、靴下も隙がないものが良いと思われます(具体的にはわからず)。食塩も持ち歩いていると安心でしょう。

クマーについて

戦わずして勝つ。真面目な話、あの狭い道で遭遇したらどうしようもない気がします。私は爆音で曲を流していました。

感想

当初はめがね橋を経由するルートで観光みたいな感じで行くことを考えていたのでまさかこんなヒルに刺されることになるとはという感はありますが、やってみればどれも一局という感じで楽しめたとは思います。今度来るときは 18 号旧道経由で行きたいですね。紅葉のシーズンはかなりきれいらしいです。

まとめ

山は厳しい。