宇都宮ライトレール (2023/12/18)

宇都宮ライトレールに乗りました。

ライトレールとは?

「ライトレール」とは公共道路上の軌道と専用の軌道を併用する鉄道方式で、LRT (Light Rail Transit) と呼ばれたりもします。路面電車と比較すると、専用軌道を持つところや、運行距離が長く輸送力が大きいという特徴があります。日本国内には、富山ライトレールと今回紹介する宇都宮ライトレールがあります。

宇都宮ライトレール

宇都宮ライトレール(正式には宇都宮芳賀ライトレール線)は、第三セクターである宇都宮ライトレール株式会社が運営するライトレールで、2023 年 8 月 26 日に開業しました。上下分離方式を採用していて、上部(鉄道の運行などの運営)を宇都宮ライトレール株式会社が、下部(車両や軌道などの鉄道インフラ)を宇都宮市などの自治体が管理しています。

宇都宮ライトレールは、宇都宮駅東口 (A) を起点として、途中鬼怒川を渡った後ゆいの杜 (B) を経由して、終点の芳賀・高根沢工業団地 (C) へと向かいます。運行距離は 14.6 km で、乗り通す際の所要時間は約 50 分、料金は 400 円で、ラッシュ時間帯は毎時 7-8 本、日中は毎時 5 本が走行しています。

出典:国土地理院ウェブサイト

乗車記

朝ゆっくり出たので宇都宮駅には 12 時過ぎに着きました。早速ライトレールのある東口に向かいましたが、広場ができていたり新たな商業施設が複数できていたりと、以前来たときと比べてかなり再開発が進んでいるようで驚きました。食事をしてから乗車する予定でしたが、行こうとしていた店が満席だったので、とりあえず乗ることにしました。

宇都宮駅東口駅は東口を出てすぐのエスカレーターを降りたところにあります。駅自体に改札はなく、乗降時に IC カードをタッチすることで決済するというシステムになっています。

乗降時に決済する。乗車時の方が下にあるのが非自明

この日は昼過ぎでしたがかなり盛況していて、始発駅から 3 両編成の車内を自由には歩けないくらい人が乗っていました。国内では最新の鉄道なので、中には乗車を目的に来た人もいたであろうと思います。

車内の様子(空いているときに撮影)

宇都宮駅東口駅を出ると最初に 90 度回りますが、その後は概ね直線的に進んでいきます。1 両がそこそこ長いので、ここのカーブはかなりきつそうな感じがします。座席や揺れ方など、乗車しているときの感覚は車やバスに近く、通常の鉄道との違いが感じられました。

座席はレンタカーの席みたいな感じ

開業して間もないので当然と言えばそうですが、車内はかなり綺麗でした。

照明は N700S みたいな感じ

同行していた t 氏が 14 時から面談をやらないといけないようだったので、宇都宮大学に向かうべく宇都宮駅東口から 2 駅先の駅東公園前で降りました。この辺りは住宅が多く立ち並んでいて、ライトレールに需要があるのもうなづけるという感じでした。途中駅のホームは、バス停のように上下線で離れた位置にあるのが特徴的です。

車両の全長。道路の中央にある軌道を走る

降車してからはまず近くにあった餃子の店に行きました。私自身も定期的に餃子を作っていて、店で食べる餃子より自分で作ったものの方が美味しいことが多いのですが、さすが宇都宮だけあって美味しく頂けました。

焼餃子と揚餃子(900 円)

食事後は予定通り宇都宮大学に向かいます。大学構内に入ったくらいのタイミングで急に腹痛に見舞われたので、t 氏が空き教室で面談をしている間、教室とトイレを反復することになりました。トイレに入ってから 1,2 分しか経っていないタイミングで外から大声で何者かが「早くしろよ」と言うのが聞こえて戦慄したのを覚えています。

15 時くらいに面談が終わると、宇大を後にして今度は峰駅に向かいました。ライトレールの 2 駅先に「宇都宮大学陽東キャンパス」駅があるのに実際の最寄りはこの峰なのを不思議に思っていましたが、今回行ったのは峰キャンパスですぐ近くに別のキャンパスがあったということだったようです。

日が暮れる前に乗り通しておきたかったので、峰駅からは終点の芳賀・高根沢工業団地駅まで直接向かいます。この時間帯はかなり空いていて快適に乗ることができました。

列車は途中で大通りを離れて専用軌道に入って鬼怒川を渡り、ゆいの杜付近でまた大通りと合流します。確かにただ大通りを走るだけだとわざわざ鉄道を作る意味も薄いので、通りの南側の需要を拾っているという側面もありそうです。

専用軌道で鬼怒川を渡る

終点の芳賀・高根沢工業団地に着くまではそこそこ時間がかかりました。工業団地という名前の通り工場らしき建物が並んでいますが、この辺りには主にホンダの工場があるようです。

終点の芳賀・高根沢工業団地。右に見えるのはホンダの駐車場っぽい

ただでさえ最高気温が 10 度にも満たない寒さなのに、聳え立つ工場の影響で日当たりも悪かったので、付近の散策は諦めて即折り返すことにします。帰りはゆいの杜で途中下車しました。降りてみた所感で、道路や建物が新しいものばかりであることに気づきました。実際にゆいの杜は 21 世紀に開発されたニュータウンで、このライトレールの建設が決まってから発展してきたようです。

降車後はライトレールとは別れて鬼怒川を目指しました。鬼怒川までは 3 km 程度と意外と距離があり、辿り着く頃には日が暮れそうになっていましたが、橋の上には富士山や上毛三山が眺望できる雄大な景色が広がっていました。道中は非常に寒かったですが来て良かったなと思います。

鬼怒川。左奥には富士山が見えている(低画質すみません)

ゆいの杜に戻ってきてからはカフェで食事をし、18 時過ぎの便で宇都宮に帰りました。列車は夕方の上りにも関わらず座席はすべて埋まっているくらい混雑していましたが、宇都宮まで電車に乗ってきてライトレールの沿線に通勤・通学するという需要もかなりありそうに感じました。

宇都宮駅東口。お疲れ様でした

19 時前に宇都宮まで戻ってきました。この時間でも在来線で余裕を持って東京に帰れるのも良いです。

感想

近未来感があって面白かったです。富山や他の市電も行ってみたいですね。